正しく測ってきちんと知ろう 血圧
日本で多い高血圧患者
国内ではおよそ4,300万人の高血圧患者が存在すると推測され、脳卒中や心筋梗塞、大動脈解離などの脳心血管病による死亡の最大リスクとなっています。
それにもかかわらず、「高血圧ガイドライン2019」の試算によると、4,300万人の高血圧患者のうち、適切に血圧がコントロールされているのは1,200万人のみとされているのが実情です。
血圧はほんのわずかなストレスで上下するので、測定が難しいものでもあります。例えば、病院に来て白衣の先生を見るだけで血圧が高くなる人も多く、この症状は「白衣高血圧」といわれています。そのため、診察室での高い血圧が白衣高血圧によるものかどうかを見極めるには、自宅での「家庭血圧」が非常に重要です。
家庭血圧の正しい測り方
家庭血圧をきちんと把握することで、高血圧による病態を正確に診断することや治療の効果をより高めることができますが、その正しい測定方法は意外と知られていません。
家庭血圧は、朝(起床後1時間以内、排尿後)と晩(就寝前)の一日2回、座位で測定します。
血圧計は、手首に巻くタイプは値が不正確になりがちなので、上腕にカフを巻くタイプが望ましいです。
可能であれば一度に2回測定して、その平均を血圧手帳に記録し、朝・晩それぞれの7日間(少なくとも5日間)の平均値を評価することで、血圧は正常かどうかが評価されます。
朝・晩それぞれの平均値が115/75mmHg 未満であれば正常血圧、いずれかの平均値が135/85mmHg以上であれば高血圧です。
血圧が高い場合は…
血圧が高いようであれば、塩分を減らすような食生活に切り替えてみましょう。ただ、長い生活習慣をすぐに変えるのは難しいので、主治医に相談するようにしましょう。
現在は、下の表のように年齢ごとに血圧の目標値が異なっており、75 歳以上では厳格すぎる血圧管理は不要であることが明らかとなっています。すでに高血圧で治療されている方も、主治医の外来を受診する1 週間前だけでも良いので一日2 回血圧を測定し、ノートに記載して外来時に持参するようにすると負担は少ないかもしれません。